- 緑ナンバーの許可は「取ったら終わり」ではなく、事業を続ける限り守り続ける義務があります。
- 主な義務は、運行管理者の選任、点呼、運転者の健康管理と指導監督、記録の作成・保存、国への報告や届出、そして2025年4月からの取引に関するルールです。
- 義務を守れているかは巡回指導や監査で確認され、違反があると行政処分の対象になります。
なぜ許可の後にも義務があるの?
一般貨物自動車運送事業の許可は、国の審査を通って「有償で貨物運送事業を営むことができる地位」を得るものです。その地位には、輸送の安全を守り続ける責任がセットで付いてきます。
許可の審査で確認されるのはスタート時点の体制です。そのため、許可を受けた後も、その体制を日々の業務で維持していくことが求められます。
許可後に守るべき主な義務は?
1. 運行管理者を選任する
営業所ごとに、国家資格を持つ運行管理者を選任する必要があります。運行管理者は、運転者の勤務時間の管理、点呼、指導監督など、運行の安全を確保する業務の中心を担います。
2. 点呼を行う
運転者の乗務前と乗務後に点呼を行い、疲労や健康状態、酒気帯びの有無などを確認して、運行してよいかを判断します。点呼は対面が原則ですが、一定の要件のもとで、遠隔点呼などの方法も認められています。点呼の内容は記録し、1年間保存する必要があります。
3. 運転者の健康管理・指導監督を行う
常時使用する乗務員には、医師による健康診断を1年以内ごとに1回受けさせる必要があります(深夜業務を含む場合は6か月に1回)。あわせて、運転者への日常的な指導監督や、必要な適性診断の受診も定められています。
4. 乗務の記録を作成・保存する
運転者ごとに乗務の記録を作成し、保存します。勤務時間や乗務時間を把握し、無理のない運行計画を立てるための基礎になります。
5. 整備管理者を選任し、車両を点検・整備する
一定の台数以上の事業用自動車を使う場合は、整備管理者を選任し、日常点検や定期点検を通じて車両の安全を確保します(道路運送車両法)。
6. 国への報告や届出を行う
毎年の事業報告書・事業実績報告書の提出のほか、増車・減車・車庫の変更、運行管理者の変更などのときには、届出や認可申請が必要です。
7. 取引に関するルールを守る(2025年4月以降)
2025年4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法により、取引に関する義務も加わりました。
さらに2026年4月1日からは、元請として真荷主から運送を引き受けた場合に、再委託の回数を2回以内にするよう努める義務(努力義務)も加わりました。
義務を守れているかは、どう確認される?
義務を守れているかは、地方貨物自動車運送適正化事業実施機関による巡回指導や、運輸局による監査などで確認されます。違反が見つかった場合は、内容に応じて車両の使用停止や事業停止、最悪の場合は許可の取消しといった行政処分の対象になります。
日々の記録をきちんと残しておくことが、巡回指導や監査への一番の備えになります。
- e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業法」
- e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業輸送安全規則」
- e-Gov法令検索「道路運送車両法」
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
- 国土交通省「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」
- 国土交通省 関東運輸局「運行管理者制度」に関する資料
- 国土交通省 近畿運輸局「運行管理業務について」
- 国土交通省「改正貨物自動車運送事業法 Q&A」(令和8年3月31日時点)
- 国土交通省「トラック適正化二法について」
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