④「納車日は決まっているのに、登録できない?」トラック納車前に確認しておきたい手続きの順番

トラックディーラー向け実務コラム|全3回+番外編
  1. トラックの登録手続きはどう変わった?
  2. トラック増車は届出か認可か?
  3. 増車で見落としやすい車庫の落とし穴
  4. 番外編:納車日から逆算する、手続きの順番(本記事)
このコラムで分かること
  • 「納車日」ではなく「登録できる日」から逆算すべき理由
  • 届出の場合・認可の場合で、準備にかかる時間の違い
  • 発注前から登録まで、誰がいつ何を確認するかの5つの段階

トラックの納車日が決まった。ディーラーからも「○月○日に納車予定です」と連絡が来ている。

あとは登録を済ませるだけ――。

そう思っていたところ、増車の手続きが認可案件だと分かった。あるいは、車庫の収容能力に問題が見つかった。

「納車日は決まっているのに、登録が間に合わない」

これまでのコラムでは、誰が手続きをするのか、届出でいいのか認可なのか、車庫は確保できているのか、という「何を確認するか」を整理してきました。今回は、その内容を「いつまでに確認しておくべきか」という時間軸で整理します。

目次

「納車日」から逆算していないか

トラックを発注すると、ディーラーから納車予定日の連絡が来ます。この日付を起点に、「では登録の準備を始めよう」と考えるのは自然な流れです。

しかし、増車の手続きには、届出であっても認可であっても、一定の時間がかかります。納車日が近づいてから手続きに着手すると、間に合わなくなる可能性があります。

大切なのは、「登録できるようになる日」から逆算して、いつまでに何を終えておくかを考えることです。

届出か認可かで、準備にかかる時間が変わる

届出で済む場合
直前の準備では間に合わない

増車の届出は、実施予定日より前に提出します。繁忙期には当日の確認が難しい場合があるため、できるだけ早めの提出が求められています。また、車庫の収容能力を広げる必要がある場合は、その手続きを先に終え、運転者・運行管理者・整備管理者も確保しておく必要があります。

認可が必要な場合
審査期間をスケジュールに織り込む

事業計画変更の認可は、標準処理期間が1〜3か月(運輸支局長権限に係るもの)、1〜4か月(その他のもの)とされています。これは審査期間の目安で、書類の補正などにかかる期間は含まれません。申請の準備や、認可後の登録までの期間も別に必要です。

ここで重要なのは、認可が必要かどうかは、車両を発注する段階、あるいはそれ以前の段階で分かることが多いという点です。増車の規模(30%以上かつ11両以上など)や、営業所の巡回指導の評価・累積違反点数は、車両が完成する前から分かっている情報です。

それでも、車両の発注や納車の話が先に進み、手続き面の確認が後回しになると、認可の審査期間がまるごと納車の後ろ倒しにつながってしまいます。

車庫を新設・拡張・移転する場合も認可

事業計画上の車庫の新設や、位置・収容能力の変更は、原則として事業計画変更の認可の対象です。増車そのものが届出で済んでも、車庫の変更が必要な場合は、その認可の期間も見込んでおく必要があります。賃貸借契約の締結など、車庫の準備は車両の仕様が決まる前から進められる部分が多くあります。

発注前から登録まで、5つの段階

ここまでの内容を、納車日から逆算した確認の流れとして整理します。

1
発注を検討している段階
届出か認可かの見立てを立てる
増車の規模(直近3か月の増車を合算)と、営業所の巡回指導の評価・累積違反点数を確認する
2
発注と並行して
車庫を確認する
収容能力・位置・使用権原を確認する。車庫の新設・拡張・移転が必要な場合は、車庫の契約と変更の手続き(認可)に着手する
3
認可が必要と分かったら、すぐに
認可申請の準備に着手する
標準処理期間(審査期間の目安)に、申請の準備と補正の期間も見込んで、納車スケジュールに織り込む
4
実施予定日より前に、余裕をもって
届出を済ませる
車庫や人員の手続きを先に終え、必要書類を揃えて提出する
5
ゴール:登録できる状態
連絡書を受けて、登録・ナンバー交付へ
運輸支局で事業用自動車等連絡書の確認を受け、登録の書類に添えて提出する。連絡書の有効期限は発行の日から1か月なので、登録の日程に合わせて受ける

3者のタイミングをそろえる

ディーラー
納車日を伝える立場。発注の段階で、手続きの確認が済んでいるかを一言確かめる
運送会社
手続きを進める立場。納車日の連絡を待たずに、段階1・2の確認から始める
行政書士
届出か認可かの判断と、車庫・増車・登録の実務を支援する立場

この3者の間で、「納車日の連絡」と「手続きの確認」が別々のタイミングで動いてしまうと、今回のようなずれが起こりやすくなります。

トラックが完成し、納車日が決まってから増車の区分や車庫の状態を確認するのでは、選べる対応の幅がかなり狭くなります。発注を検討している段階で「届出で済みそうか」「車庫は大丈夫か」の見立てを持っておくことが、納車のスケジュールを崩さないための最も効果的な備えです。

納車前の確認は、行政書士にお任せください
トラックディーラーの方

受注の段階で、お客様の増車が届出で済むか、車庫に問題がないかを確認しておくと、納車日のずれを防げます。ご相談の受け付けかたを専用ページにまとめています。

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運送会社の方

物流の現場で20年以上、運行管理・出荷管理に携わってきた行政書士が担当します。届出か認可かの判断から、車庫の変更、登録の書類までご相談いただけます。

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どちらに当てはまるか分からない場合も、こちらからどうぞ

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この記事を書いた人

あさば行政書士事務所(神奈川県横須賀市)代表、行政書士の浅葉竜一です。
自動車部品の物流・倉庫会社で20年以上勤務し、運行管理者・出荷管理者として運送の現場に携わってきました。
その経験を活かし、一般貨物自動車運送事業の許可申請、増車・車庫などの変更手続き、巡回指導対策、黒ナンバー・貨物利用運送など、運送業の手続きを中心にサポートしています。
自動車登録・車庫証明、相続・遺言のご相談も承ります。

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