- 運行管理者の一般講習の期限と、年度単位での数え方
- 一般講習を受講させていないと、行政処分の対象になること
- 講習の期限を、人の記憶ではなく仕組みで管理する方法
「なぜ、私は今ここにいるんだろう……」
朝の通勤ラッシュ、身動きも取れない東京行きの満員電車の中で、私は一人、後悔していました。
本来なら、地元の横須賀や横浜で受けられるはずだった「運行管理者の一般講習」。期限を甘く見て、2月に入ってから予約をしようとしたのが運の尽きでした。
神奈川県内の会場は、どこもかしこも満席。結局、片道2時間近くかけて都内の会場まで足を運び、受講料に加えて、往復の長い移動時間を費やすことになったのです。
一般講習の期限は「年度」で数える
運送事業者は、選任した運行管理者に、国が認定する一般講習を受講させなければなりません。受講の時期は、原則として、最後に受講した年度の翌々年度以後、2年度ごとです。
たとえば2024年度に受講した場合、次は2026年度が受講すべき年度になり、2027年3月31日までに受講させる必要があります。
その事業者で新たに運行管理者を選任した場合は、原則として、選任の届出をした年度に講習を受講させます。やむを得ない理由がある場合は翌年度です。基礎講習を受けていない人を新たに選任した場合は、基礎講習が必要になります。
なぜ、2月では遅かったのか
期限が年度の終わり(3月31日)で区切られるため、私の経験では、期限が迫った人の予約は年度末の2月・3月に集中しやすく感じました。「まだ年度内だから大丈夫」と思っているうちに、地元の会場は先に埋まってしまったのです。
今回の私の失敗は、まさにこの典型でした。
「うっかり」では済まされない、経営のリスク
今回の私の失敗は、「疲れた」「余計な時間がかかった」という笑い話で済みました。しかし、もし予約が取れずに期限を過ぎてしまったら、どうなるでしょうか。
一般講習を受講させていないことは、「運行管理者の講習(一般講習)受講義務違反」として、行政処分の対象になります。関東運輸局の基準では、初違反で10日車、再違反で20日車の自動車の使用停止です。国土交通省が公表している行政処分の事例でも、処分の理由の一つとして挙げられています。
予約が取れなかった場合だけでなく、繁忙期と重なって講習に行かせる余裕がない、という事態も起こり得ます。社長がどれだけ安全を願っていても、「たった一つの予約漏れ」が会社に思わぬ負担をもたらしかねません。
期限は、人の記憶ではなく仕組みで管理する
今回の移動を経験し、私は改めて感じました。こうした期日の管理は、人の記憶ではなく仕組みで防ぐべきものだと。
「うちの運行管理者の期限、いつだったかな?」と少しでも不安になったら、早めに確認しておきましょう。早めの予約、早めの対策。余裕を持って対応できるうちに、一歩踏み出すことが会社を守ります。
物流の現場で20年以上、運行管理・出荷管理に携わってきた行政書士が担当します。巡回指導に向けた、講習の受講状況や点呼記録などの点検からご相談いただけます。
巡回指導・監査対策サポートを見るどちらに当てはまるか分からない場合も、こちらからどうぞ

