「また新しい書類が増えるのか……。ただでさえ日々の日報や点呼記録で手一杯なのに」
運行管理の現場から、そんなため息が聞こえてきそうです。 2026年から新たに作成が義務付けられた「実運送体制管理簿」 。 「うちは小口の配送がメインだから関係ないよ」「うちは2トントラックしか使っていないから大丈夫」 もしそう考えているなら、それは非常に危険な死線(デッドライン)かもしれません 。
今回の法改正がもたらす本当の恐ろしさは、単に「書類が1枚増えること」ではなく、これまで現場の『当たり前』として見過ごされてきた違法な運行実態が、行政に対して完全に丸裸にされる点にあるのです 。
1. 翌朝の「リセット」で消えない、2日平均の赤ランプ
数百キロ離れた遠方の工場から、都市圏にある物流倉庫へと走る、ある定期便のトラックを例に挙げてみましょう。
そのドライバーは、朝早くに出社し、午前中に工場へ到着して1人で荷積みをこなします。その後、高速代を浮かせるために下道を延々と走り続け、夜遅くにようやく目的地の倉庫へ到着。デジタコの「休息ボタン」を押し、そこで夜を明かします。
翌朝、荷卸しの開始とともに業務をリスタート。
運送現場の感覚からすれば、「夜間にしっかりトラックを止めて寝かせたんだから休息時間はクリアしている」「翌朝は心機一転、メーターもフラットにリセットされているからオッケー!」と思いがちです。
ですが、最新の改善基準告示(2024年告示)の網をかけると、これは完全な大アウト(法令違反)です 。
行政監査において、運転時間はカレンダー通りにも、翌朝のボタン一つでもリセットされません。「当日と翌日の運行データを合わせた2日平均」で冷徹に審査されます。
下道を長時間走り続ける往復パターンを繰り返している限り、データの裏側では毎日「違法な過労運転」のスタンプが押され続けており、その12時間は法的な「適法な休息」としては実質ノーカウント(認められない)の扱いになってしまうのです。
2. 「1人での荷積み」に潜む、もう一つの地雷
さらに、このドライバーが日常的に行っている「1人での荷役作業」にも、強烈な地雷が隠されています。
皆様の契約書(書面)に、その積み込み作業に対する「相応の料金」は明記されているでしょうか? 2024年4月から始まった標準運送約款の改正により、荷物の重さに関わらず、荷役や待機などの附帯業務を行う場合は、あらかじめ書面で合意し、料金を明記することが義務化されています 。
もしこれを「昔からの慣習だから」とサービス(タダ働き)でやらせていた場合、一発で書面交付義務違反となります 。
- 運送会社: 10日車以上の車両停止処分(再違反なら事業停止)
- 荷主(発注元): 「荷主勧告」による企業名の公表
「下に任せているからウチは知らない」と言い訳していた荷主企業(親会社)も、今や連座制のように社会的な制裁を受ける時代なのです 。
3. 「実運送体制管理簿」の義務化で、すべてが繋がる
「でも、監査が入らなければバレないだろう」 その淡い期待を完全に打ち砕くのが、今年(2026年)から始まった「実運送体制管理簿」です 。
1回の運送依頼あたりの貨物重量が1.5トン以上の場合、この管理簿の作成が義務付けられ、トラックが「実際に走ったルート」や「どこで夜を明かしたか」がすべて記録・透明化されます 。
結論:現場の「思い込み」を、確かな「盾」に変えるために
「デジタコの画面がエラーになっていないから大丈夫」 「今までこの運行でトラブルが起きなかったから大丈夫」
その現場の主観的な思い込みこそが、これからの法改正時代において、会社を揺るがす最大の死角となります 。
私は、運行管理者・出荷管理者として20年間、皆さまと同じように物流の最前線で汗を流してきました 。だからこそ、机の上の法律論だけではない、「明日から現場で本当に機能する安全体制」を熟知しています 。
手遅れになって行政処分を受ける前に、まずは一度、御社のデジタコデータや契約書をプロの目でクロスチェックしてみませんか? 20年の現場経験という「知恵」と、行政書士としての「法律の専門知識」を掛け合わせ、御社と大切なドライバーを守る最強の『盾』を共に築きます 。
まずは一度、御社のリアルな現状をお聞かせください。

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